1400年以上の歴史がある瓦は日本の建造物を風雨から守り続けている。
なかでも鬼瓦は、厄災祓いとして社寺や住宅屋根に飾られ、その形は鬼面だけでなく蓮華文・家紋・動物など様々であり、火事から守る意味を込めて「水」の字を配したものまである。
鬼瓦と似た文化として、沖縄のシーサーや狛犬などが挙げられ、これらはまさに日本の住文化の一つと言えよう。
『鬼瓦 家守 onigawara iemori 』は、住まいのカタチが今後どのように変化しても、全ての住空間に「守り神」として新しい役割を担う鬼瓦です。
鬼瓦は通常の瓦とは違い、家に寄る邪気を祓い、そこに住まう家族を守る役割を持った瓦です。"鬼師"と呼ばれる作り手が魂を分け与えるような気持ちで、丹念に仕上げています。「鬼師の個性が鬼面に宿る」と言われるように、どことなく鬼師に似た雰囲気を持つところも愉しみの一つ。土を自在に操り、幾多のへらを使いこなし、無限の造形を成すその姿は、鬼を作り出す鬼神のごとく。近年では、住宅様式の多様化により、鬼瓦を屋根に飾る機会が減り、鬼瓦文化の継承が危惧されています。“鬼瓦家守 onigawara iemori”はその大切な日本の住文化と伝燈を守るひとつの試みでもあります。